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■院長の部屋

南海トラフの巨大地震が近い将来発生すると言われておりそれに対応するため様々な対策が取られています。南海トラフ地震を想定し「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」(平成29年6月改定)や高知県災害時医療救護計画等に基づく、大規模地震活動に関する総合的な実動訓練を実施して、この活動に係る組織体制の機能と実効性に関する検証を行うとともに、防災関係機関相互の協力の円滑化を図るため今年の8月には大規模地震時医療活動訓練が実施され高知病院にも北海道医療センターからDMATチームが訓練参加のためこられました。しかし、南海トラフ地震以外にも我が国のどの地域にも大きな地震が発生する可能性があることはよく言われていることです。実際6月には大阪府北部地震、9月には北海道胆振東部地震があり家屋の倒壊や、液状化現象、停電など日常生活に多大な障害を与えました。しかし、災害は地震だけではありません。今年は豪雨や台風による大きな自然災害が起こった年でもありました。地球の温暖化の影響によるものか今年の夏は記録的な猛暑でしたが、このことに関連するのかもしれませんが豪雨や大きな台風が我が国を直撃し多大な被害を与えました。7月には西日本を中心に集中豪雨があり土砂崩れなどにより多くの方が犠牲となりました。また、8月には台風20号が四国を直撃し、9月には21号が近畿に上陸しました。車が強風により飛ばされる映像には恐怖を覚えた人もたくさんいたのではないかと思います。このような災害が医療機関の診療機能にも大きな影響を与えることは当然で、実際7月の豪雨で広島の呉では水の補給がなくなりある病院では手術にも影響がでているとの報道もありました。国立病院機構の呉医療センターでも道路が土砂で寸断され職員の出勤が難しくなり病院の機能維持が大変だったようです。このような災害に高知病院が直面したとき備えは十分といえるでしょうか。リスク管理をもう一度見直しておく必要があるかもしれません。高知病院は耐震基準で震度6強〜7で倒壊しない耐震構造で建築されています。医薬品は高知県と災害時医薬品等管理委託契約を締結し薬剤備蓄も行っています。食料は入院患者、職員の3日分の備蓄、自家発電は空冷ガスタービンで燃料満タン1,950L、6.5時間ですがボイラの備蓄重油も使用可能であり最大106.5時間可能です。ボイラは30,000Lで100時間稼動となっています。備蓄水量は162トン、一日の使用量約200トンとすれば0.8日しか対応できませんが地下水を使用できることより、もう少し余裕があるかもしれません。電気や水道のライフラインが断たれると、一般家庭よりはかなり防災の備えをしているといえる病院でも厳しい状況になることは間違いありません。「備えあれば憂いなし」と言われますが、備えをいくらしていても甚大な災害では事前には想定不可能の事態が続発します。このような状況の中で、最後に残るのはマンパワーです。極限状態の中では個人個人の判断、対応、思いやりが大きな力を発揮し不可能のことを可能にする力となります。日頃から部署・部署で役割分担、対応方法など明確にしチーム力を高めておくことが重要で、この力が水道や電気の中断したライフラインを助けることになります。職員の皆さんには日頃より緊急時を想定して、常に心構えをしておいて頂きたいと思います。職員間のチームワークを強固にし災害拠点病院としての役割をしっかり果たせることができる病院を目指しましょう。

災害への対応